CADオペレーターに向いてる人は、どんな人?
わたしはCADオペレーターに向いてる?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- CADオペレーターに求められるスキル
- CADオペレーターに向いてる人の特徴
- こんな人たちは、CADオペレーターには向いていない?
- 未経験からCADオペレーターに転職する方法
- CADオペレーターで活躍するコツ
CADの勉強をしてCADオペレーターに挑戦したいけど、自分に向いてるか分からずに躊躇していませんか?
どんな仕事でも同じですが、CADオペレーターにも向き不向きはあります。
本記事の筆者は、機械設計士としての10年以上の勤務を通して、複数のCADオペレーターさんと仕事をしてきました。
そこで本記事では、CADオペレーターに向いてる人の特徴をあげていきます。
最後まで読んでいただければ、あなたがCADオペレーターに向いているのか、CADで仕事をする際に何を意識すればよいか分かります。
設計士の立場なら、「こんなオペレーターさんと仕事したい」という特徴をあげていきます。
CADオペレーターに求められるスキル5つ
コンピュータ上で図面や立体形状を作成する道具のことを「CAD(キャド)」といい、機械や建築物を設計製造する上で、CADを使った仕事は欠かせないものになっています。
機械や建築物の設計・製造を行うには多くの工程がありますが、CADオペレーターは、設計や製造の仕事の中でCAD使う部分を支援する人のことです。
設計士と言われる人から指示を受けて、CADで図面作成や修正を行うのがCADオペレーターの主な仕事ですね。
そんなCADオペレーターに求められるスキルをみていきましょう。
CADオペレーターに求められるスキル
- CADソフトを操作する能力
- パソコンスキル
- 図面を読む能力
- 情報を整理する能力
- 業務管理スキル
①CADソフトの操作スキル
CADオペレーターにとってCADを扱うのがメインの仕事なので、CAD操作スキル1番必要な能力です。
扱うCADソフトの種類は、業界や企業によって変わってきます。
ちなみに、CADの習得は未経験者でも難しくないです。
CADオペレーターを目指すなら、CADスキルの習得は必須になりますね。
熟練者になると、設計士よりCADに詳しくなるオペレーターさんもいます!
②パソコンスキル
CAD操作に加えて、基本的なパソコンスキルが必要です。
CADオペレーターは、データ入力などの事務作業を任されることもあるからです。
といっても、必要なことはWordやExcelが使えるとか、メールを使えるとか、本当に基礎的なことなので、CADを使えるレベルのパソコンスキルがある方なら問題ないでしょう。
CAD以外のちょっとした業務もできるといいですね!
③図面を読む能力
CAD未経験から始める方は、最低限度は図面を読めるようになっておきましょう。
最低限度の図面読解力がどの程度かというと、設計士から指示された内容を理解できる程度の読解力で十分です。
立体を平面図に投影したときの見方や寸法の読み方、縮尺の決まりなどを知っていれば、最低限の業務は可能でしょう。
仮にこれらが分からなかったとしても、的確な質問ができて教えてもらえば何も問題ないです。
仕事ができる設計士なら、オペレーターさんのレベルに応じた指示を出すでしょう。
オペレーターさんに正しく伝わる指示ができないのは、設計士の責任!
④情報を整理する能力
CADを使って作図などをする際、前情報の収集・理解能力が必要です。
例えば図面には各々の管理番号があり、図面番号などと呼びます。
図面番号の決め方には、会社独自のルールがあることが多いです。
図面番号の決め方をルール化する理由は、番号を見ただけで図面の見分けがつくようにし、分類分けをしやすくするためと思っておいてください。
会社の規模によっては数千枚~数万枚の図面があるので、規則性のある番号を初めからつけないと、後から目的の図面を探すのが非常に大変になるのです。
社内ルールを丸暗記する必要はないですが、毎回毎回、人に聞かないと分からなかったり調べ直さないといけなかったりしては、非常に効率が悪いです。
このように、CADを操作する前に知るべき情報がいくつもあるので、必要な情報を整理する能力は欠かせません。
社内ルールが煩雑だと苦労します……
⑤業務管理スキル
効率的に仕事を進めるために、優先順位の判断力や調整力などの業務管理スキルが必要です。
CADオペレーターが複数の設計士を相手にすると、同時並行で複数の仕事を進めることも多くなります。
設計士からの依頼納期をすべて守れれば問題ないですが、依頼が集中して手に負えなくなることもあるでしょう。
手に負えない事態となった際、期日がきてから「やっぱり終わりませんでした」では大問題。
自身で優先順位の判断がつかないなら、依頼元の設計士や上司に相談して優先順位付けしてもらうなど、自身の業務を管理するスキルが必要です。
納期を守れるか、事前に考えるのは大事!
CADオペレーターに向いてる人の特徴5つ
先ほど紹介した「求められるスキル」をふまえて、CADオペレーターに向いてる人の特徴や性格をあげていきます。
CADオペレーター向きの特徴
- パソコン作業が苦でない人
- 地道な作業ができる人
- 集中力がある人
- 几帳面な人
- 向上心がある人
特徴①パソコン作業が苦でない人
パソコン作業やデスクワークが苦でない人のほうが、CADオペレーターに向いています。
CADオペレーターはパソコンに向かって長時間作業するためです。
事務職での就職経験があり、長時間のパソコン作業ができていた人はCADオペレーターの適性があるといえるでしょう。
特徴②地道な作業ができる人
少しづつでも物事を進めていくことが好きな人は、CADオペレーターに向いてます。
CADオペレーターとして活躍するためには、1つ1つの工程を着実に積み上げていくことが重要です。
1つの図面や3Dモデルを完成させるまでには多くの工程があります。
時には、完成までに多くの時間を有する案件を扱うことだってあるでしょう。
そんな時でも、地道に作業を積み上げていける人なら、途中で仕事を投げ出すことなく完成を迎えられます。
特徴③集中力がある人
1つのことに集中できる人もCADオペレーター向きです。
図面や、3次元表示された立体モデル(3Dモデル)を作成するには、操作ミスをしないための集中力が必要。
たとえば機械設計をしていると、形の似ている部品がたくさん必要になることがあります。
似ているものを複数扱う場合、どこがどう違うのか正確に図面反映しなければなりません。
集中して作業に取り組まないと似ている者同士を混同して間違う恐れがあるので、高い集中力の維持が必要です。
特徴④几帳面な人
図面や3Dモデルの修正は細かい作業の連続で、それでも苦でない几帳面な人に向いています。
ものの大きさを0.1ミリメートル単位でちまちまと調整したり、図面の寸法線を少しずつ動かして見やすくなるよう整えたり、1つ1つの作業は細かいです。
「そんなに細かいことまで気に掛けるの」と思う人もいるかもしれないですが、地味な作業の繰り返しがCADオペレーターとしての価値提供につながります。
特徴⑤向上心がある人
常に向上心をもっている方にも、CADの仕事は向いています。
なぜならCADの仕事を続けるためには、新しい知識を習得し続ける必要があるからです。
CADオペレーターは「一度覚えた知識だけでずっと働き続ける」とは思わないでください。会社に導入しているCADシステムが変更されたり、CADに新しい機能が追加されたりすれば、その都度覚えることが発生します。
派遣社員の方であれば、勤務する会社が変わると使用するCADソフトが変わることも少なくないです。使用するCADソフトが変更になれば、少なからず覚えることが発生します。
向上心が高く、新しいことを覚えるのが苦ではない人は将来性の高いCADオペレーターになれる見込みありです。
こんな人たちは、CADオペレーターには向いていない?
一見すると、女性や文系はCADオペレーターに向いていないと思ってしまいます。
実際には、女性や文系出身者でもCADオペレーターとして活躍している方はたくさんいるのです。
- 女性には向いていない?
- 文系には向いていない?
- コミュ障には向いていない?
①女性には向いていない?
むしろ、女性に向いています。
CADオペレーターは未経験からでもなれる職業なので、これから何かのスキルを身に付けたいと考えている人にもうってつけです。
加えて、一般論としては男性より女性のほうが丁寧な仕事をする方が多い傾向にあります。
仕事の丁寧さの観点からも、正確性が要求されるCADの仕事は女性向きです。
またコロナ禍の影響もあり、家事や育児に追われる女性にも働きやすい環境が整いつつあります。
在宅ワーク可能な会社や、フリーランスとして在宅業務を行っている女性CADオペレーターさんも増えているようです。
在宅ワークが可能な職業の1つとして、今後、今より人気がでるかもしれませんね。
一緒に働いたCADオペレーターさんは、皆さん女性でしたね!
②文系には向いていない?
文系の方は「数学が苦手」な人が多いと思いますが、CADオペレーターに向いていないとは断言できません。
たしかにCADの仕事は、図面や3Dモデルを通して数字や図形を扱うことが多いです。
しかし、CADオペレーターの役割は設計士から指示された数値の通りに図面作成することなので、オペレーター自身に計算能力は求められていません。
設計や計算を行うのは設計士の役割なのです。
なのでCAD操作や仕事に慣れてしまえば、文系・理系は関係ありません。
慣れるまでは大変かもしれませんが、それはどの仕事でも一緒なので、文系だからという理由でCADの仕事を敬遠しないでくださいね。
CADに慣れれば文系でもOK!
③コミュ障には向いていない?
CADオペレーターに必要なコミュニケーションは必要最小限なので、コミュ障の人でも大丈夫です。
自分が知りたい情報を入手したあとは、ひたすら自分の世界で作業できます。
接客業などの、人と対面することが主業務の職種と比較すると、人との会話は少なくてすむのでコミュニケーションに苦手意識がある人にもおすすめです。
コミュ障でも取り組むハードルは低い!
未経験からCADオペレーターに転職する方法3つ
向き不向きが分かったところで、未経験者がCADオペレーターに挑戦する方法を3つ紹介します。
- 未経験OKの求人に応募
- 職業訓練やCADスクールの受講
- CADに特化した派遣会社へ登録
方法①未経験OKの求人に応募
1番早いのは、早速、求人に応募することです。
「まだCADの勉強は何もしてないのに大丈夫!?」と不安に思われるかもしれませんが、求人サイトをのぞいてみると「未経験でもOK」の求人は意外とあります。
例えば、indeedにはこんな感じの条件で求人されていました。
- パソコン操作に抵抗が無ければ、業界経験も職種の経験も必要ないです!
- CADでの実務経験不要です
- 実務未経験OK(スクールやポリテク卒の方も大歓迎)
未経験者でもOKとしている会社は、採用後に研修期間を設けていることが多いので、入社後にスキルを身につけてもらうスタンスのようですね。
求人の探し方は、CADオペレーター求人の探し方を解説した記事を参考にしてください。
方法②職業訓練やCADスクールの受講
次に、職業訓練校やCADスクールを経由して仕事に就く方法です。
職業訓練やスクールではCADの技術が身につくのはもちろんですが、就職サポートを実施しているところもあります。
面接対策や履歴書の書き方の指導、求人情報の提供を受けることで、CADオペレーターの仕事に就く可能性を広げられますね。就職につながるサポートを受けられるので、「CADの職業訓練が意味ない」なんてことはないですね。
方法③CADに特化した派遣会社へ登録
最後に紹介する方法は、派遣会社への登録です。
未経験者でもOKな仕事は、派遣会社でも紹介してもらえます。
派遣会社の中には独自のCAD研修を用意しているところがあり、登録者はCAD業務の就業支援を受けられます。
会社で実際に働く前に研修を受けられるのは、未経験者にはありがたいですね。
CADオペレーターで活躍するコツ3つ
最後に、実際にCADオペレーターになった後で活躍するためのコツを紹介します。
CADオペレーターで活躍するコツは、「あの人に仕事を頼みたい」と設計士に思ってもらえるオペレーターになることです。
CADオペレーターの仕事は、設計士から依頼に対応するのがメインですので、依頼元の設計士がスムーズに仕事を進められるようトータルでのサポートを心がけていくうちに、活躍しているCADオペレーターの姿がみえてきます。
具体的な内容を確認してみましょう。
活躍するコツ
- CAD以外の仕事も引き受ける
- スピードと精度を追求する
- マニアックなコマンド操作を覚える
コツ①CAD以外の仕事も引き受ける
CAD以外の仕事も引き受けてもらえると、設計士は助かります。
CADオペレーターが担える仕事は、直接CADを使う業務以外にもあるんです。
具体的には、部品発注や製造指示書の作成など。
色々な業務を任されるCADオペレーターは辛いこともありますが、CAD周りの仕事をトータル的にサポートできると「図面書きだけを行うオペレーター」との差別化を図れます。
コツ②スピードと精度を追及する
作業のスピードと精度が両立したCADオペレーターは、設計士から頼られること間違いなしです。
設計士の立場からすると、作業スピードが遅かったり何度も同じミスをしたりするオペレーターには、仕事を依頼したくありません。
逆に、作業スピードと精度を兼ね備えたCADオペレーターなら、設計士からの信頼を獲得しているので仕事がどんどん依頼されるでしょう。
初めのうちは精度重視でOKですが、慣れてきたらスピードも意識して仕事に取り組めると良いですね。
コツ③マニアックなコマンド操作を覚える
ぜひマニアックなコマンド操作を覚えて、設計士に教えてあげて下さい。
CADは色々なコマンドがあり使い方は人それぞれですが、全ての機能を使いこなせている人は少ないでしょう。
いつも使っている特定のコマンドだけで、仕事を済ませようとする人が多いのですが、別のコマンドを使ったほうが効率的な場合も多々あります。
というのも私自身が、CADオペレーターさんから教えてもらったコマンドによって仕事を効率化した経験があるのです。
初心者には知られていない「ちょっとした時短テクニック」を編み出せれば、CAD上級者の仲間入り。
普段は使用しないコマンドにも目を向けて、使えるものがないか探してみて下さい。
CADオペレーターに向いてる人は、どんどんチャレンジしよう!
CADオペレーターに向いてる人の特徴をお話ししました。
CADオペレーター向きの特徴
- パソコン作業が苦でない人
- 地道な作業ができる人
- 集中力がある人
- 細かい作業が苦でない几帳面な人
- 向上心がある人
CADオペレーターは未経験からでも目指せる職業です。
ご自身に適性があると感じた方は、さっそくCADの勉強を始めてみましょう。