未経験者がCADを覚えるのって難しいのかな。
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 未経験者でもCAD習得が難しくない理由
- 未経験者がCADを習得する際に「難しい」と感じること
- 未経験者がCADを習得する方法
CAD(キャド)と聞くと、有識者や工学系の学校出身者でないと満足に扱えないと思っていませんか?
実はCADの習得は、CAD未経験者でも難しくないのです。
正しい手順で学べば、未経験者でもCADを扱えるようになります。
本記事の筆者は、機械設計士としての10年以上の勤務を通して、複数のCADソフトを使用してきました。
この記事では、未経験者でもCADの習得は難しくない理由を解説していきます。
CADに触れたことがない方にも、CADを覚えるきっかけにしていただければ幸いです。
何かスキルを身に付けたい方に、CADはおすすめです!
未経験からCAD操作を習得するのは難しいのか
結論、未経験者でもCAD操作を習得するのは難しくないです。
パソコン操作ができればOK
というのも、パソコン操作ができる人ならCADを難なく扱えるからです。
CADはあくまでもツールの1つなので、一部の人しか使えない特殊なものではありません。
使用経験がない方でも、正しい手順で学べばCADをスムーズに習得できるはずです。
WordやExcelを覚える、くらいの感覚でまずはOK!
学習環境が豊富
さらに、今は学習環境が豊富なので、昔よりも簡単にCADを習得できます。
今やYouTubeで検索すると、CADの解説動画がたくさん見つかるようになりました。
CADを効率的に覚えるポイントは、書籍など文章のみで勉強するよりも、上級者が実際にCAD操作をしている画面の流れを真似することです。
既に会社に所属していたり、CADスクール等に通ったりしている人は、上級者から直接教わることもできるでしょう。
しかし、まだどこにも所属してない方でも、YouTubeの解説動画を真似すれば上級者に教わることに近い学習効果を得られます。
効率的な学習環境が整っているので、以前よりも容易にCADを習得できます。
YouTubeの解説動画を真似するだけでも基本は身に付く!
無料でもチャレンジできる
しかも、お金をかけずにチャレンジできます。
ここ数年で、無料で使えるCADが増えてきました。
また無料とまではいかないものの、月々数千円の負担でサブスクリプション利用できるCADソフトも増えてきています。
現在主流となっている3DCAD(3次元CAD)は10年ほど前までは非常に高額で、わたしの知る限り、安くても数十万円以上のソフトばかりでした。
昔は、個人が3DCADを導入するハードルはとても高かったのです。
無料や安価で使える3DCADが増えてきたので、未経験者でも気軽にお試しできる環境が整っています。
昔は無料3DCADなんてなかった……
いい時代になったなあ……
未経験者がCADを習得する際に「難しい」と感じること3つ
とはいえ、未経験者はCADを習得する際に「難しい」と感じることがあるかもしれません。
その理由としては、主に次の3つがあげられます。
- ソフトが多すぎる
- コマンドも多い
- 操作の順番がわからない
対処法も記載しているので、順番にチェックしてください。
難しいこと①:ソフトが多すぎる
CADソフトにはたくさんの種類があって、どのソフトを勉強すべきか悩んでしまいますよね?
対処法として、まずはどれか1つのソフトに絞って覚えていきましょう。
1つのソフトの操作方法を覚えたら、応用すれば別のソフトにも対応できます。
機械系CADをこれから学ぶなら、3DCADを学ぶことをおすすめします。
「2DCADを扱えない人には3DCADは扱えない」と主張する人がいますが、そんなことはありません。
確かに、3DCADを操作するうえで2DCADの考え方が必要になってきますが、わざわざ2DCADで学ぶのは非効率です。
2DCADでできることは3DCADでもできるので、3Dへの苦手意識がつく前に、初めからから3DCADで勉強しましょう。
おすすめの3DCADは「Autodesk Fusion360」です。
非商用利用であれば無償で利用できます。
わたしもFusion360を使っています!
難しいこと②:コマンドも多い
CADには聞きなれないコマンドも多いですね。
コマンドとは、「線を引いたり、形を作ったりするときに使う機能」のこと。
CADを扱っていくうえで、コマンドを1つ1つを覚える必要はなく、なんとなく操作してみて目的の形状を作れれはOKです。
先ほどのFusion360の場合ですと、図付きで各コマンドの機能を説明してくれるので、使用者がコマンド機能を丸暗記していなくても、「なんとなく」で操作できてしまいます。
「スイープ」コマンドを例に、Fusion360での操作説明図を紹介します。
スイープとは、『丸とか四角といった平面の形を、「パス」といわれる経路に沿って引き延ばしていって立体形状を作る』機能です。上図の場合は、右端の円を曲線に沿って引き延ばして立体にしています。
言葉で説明されても理解しにくいですが、図があるとイメージが進みますね。
このように、使ったことがないコマンドに遭遇したら、そのコマンドの説明図にも注目してみてください。
遊び感覚でもいいので、CADを操作していきながら覚えるのが大事です。
正直、わたしはCADのコマンド全ては覚えきれてません……
難しいこと③:操作の順番がわからない
初めのうちは、正しい操作手順を覚えるのに苦労するでしょう。
CADの操作手順は、目的に応じてある程度決まっているので、慣れるまでの辛抱です。
3Dモデルを作りたいなら、2Dスケッチを引いて、それに厚みを付ける。最初に作ったモデルを元に、追加したい形をつけて編集していく、といった感じです。
もし、途中で間違えてしまっても大丈夫!
手書き図面と違い、CADなら後からの修正も簡単です。
まずは単純なモデルを1から完成させることから始めてみましょう。
まずは簡単なモデルを題材にして、操作手順を覚えていきましょう!
未経験者がCADを習得する方法
未経験者がCADを習得する方法は、主に次の3つです。
- 独学
- スクールや職業訓練を受講
- 未経験OKな仕事に就いてしまう
方法①:独学
独学でCADを覚えたいなら、書籍やYouTube動画、CADメーカー公式のチュートリアル動画を利用できます。
それぞれの特徴や注意点を解説していきますね。
(1)書籍
独学方法の1つ目は、書籍での学習です。
CADの独学にも書籍は有効ですが、一長一短があります。
CADソフトは定期的にバージョンアップが入るため、発行時期によっては古い情報が記載されています。
操作しているパソコン画面と本の内容が異なる、なんてこともあり得ます……
書籍を使う際は、CADの基本的な概念を勉強したり、用語を調べたりと辞書的に活用するのがよいでしょう。
(2)YouTube動画
次は動画で学習する方法で、YouTubeには独学の助けとなる動画が色々とアップロードされています。
YouTubeの検索画面で「3DCAD 使い方」や「3DCAD 初心者」などで探してみると、3DCADの操作手順がわかりやすく解説されたチュートリアル動画がみつかります。
習得したいCADが決まっていれば、次のように「Fusion360 モデリング」など目的のCADソフト名を入れて検索するほうが確実ですね。
YouTubeの解説動画を真似しながら実施にCADを操作していると、気付いたころには上達しています。
注意点は、信頼できる情報か不明な場合があることです。
次に紹介する、公式チュートリアル動画がある場合は、そちらから優先して学習してもよいですね。
(3)公式動画
CADメーカー提供している公式動画があれば、利用しない手はありません。
「Autodesk Fusion 360 チュートリアル」では、3DCADであるFusion360を提供しているオートデスク社が、10件のチュートリアル動画を公開しています。
情報の発信元が公式なので、信頼性はYouTubeよりも高いですね。
公式動画があるかは、各CADメーカーの公式ページをチェックしてみてください。
方法②:スクールや職業訓練
CADを習得するための2つ目の方法は、スクールや職業訓練の受講です。
スクールや職業訓練受講のメリットは、「分からないことを質問できて、教えてもらえる」こと。学習後の資格取得や就職サポートがあるコースもあります。
気になる受講期間は、CADスクールは3~6か月に設定しているところが多く、職業訓練は約6か月のようです。
まとまった期間を確保できる人におすすめの方法になります。
スクールや職業訓練の情報は、以下の記事を参照ください。
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方法③:仕事に就いてしまう
最後に紹介するのは、やや強引な習得方法……
その方法とは、未経験でもOKな求人に応募してしまって仕事をしながらCADを覚えることです。
CAD未経験でもOKな求人は派遣社員なら多く存在しており、独自のCAD研修が設定された派遣会社もあります。
CADオペレーターの求人を探すコツを解説した記事を見て、求人情報を覗いてみて下さい。
仕事に就いてしまえば、あとは覚えるしかない。
実践経験を積みながら勉強するのが、上達への最速の道です!
応募する際は、CADオペレーターの志望動機の書き方を解説した記事も参考してください。
「CADは難しい」とためらっている未経験者も挑戦する価値あり!
本記事では、未経験でもCAD習得は難しくないことをお伝えしました。
CAD習得が難しくない理由
- パソコン操作ができればOK
- 学習環境が整っている
- 無料でもチャレンジできる
何か手に職をつけたい方に、CADはおすすめです。目標が見つからないない方は、CADの習得を目指してみてはいかがでしょうか。
CADを始めてみたくなった方は、初心者が3DCADを使えるようになるまでに何から始めたらよいかを解説した記事も参考にしてください。