逆出向中の業務がつらい。
出向期間を満了するまでのモチベーションがほしい。
こんな悩みにお答えします。
本記事の内容
- 若手が逆出向すると、つらく感じる理由
- 若手のうちに逆出向するメリット4選
- 若手のうちに逆出向するデメリット3選
若手のときの逆出向経験は、その後の仕事人生を送る上での大きな財産になります。
わたしは新卒2年目のときに3年間の逆出向を経験しました。
出向期間中は仕事についていけず怒られることが多く、ただただつらい日々でした。
出向元の子会社へ戻してもらえるよう何度も交渉しましたが実現せず、結果的にはどうにか出向期間を満了できた形です。
形はどうあれ期間満了まで逆出向を耐え抜いたことが、わたしの人生に大きな影響を与えました。
逆出向の経験がプラスになることはなんとなく想像はつきましたが、出向期間を送っている真っ最中はつらい感情が先行して出向後のことなど二の次の思いでした。
逆出向してよかったかどうかは、出向期間中には体感できません。
出向元に帰任してから出向期間中の経験を活かせるようになった時点で、ようやく実感できます。
この記事では、若手のうちだからこそ逆出向から得られるメリットを解説していきます。
逆出向中でつらい思いをしている方に帰任後のご自身の姿を想像してもらい、出向終了まで耐え抜くためのモチベーションアップに貢献します。
- 今現在、初めての逆出向中の方
- 仕事がつらくて出向を満了するまで耐えきれる自信がない方
若手が逆出向すると、なぜつらく感じるのか【メリットはすぐには実感できない】
若手が逆出向するとつらい1番の理由は、出向している最中には逆出向のメリットや効果を体感できないからです。
つらい出向期間を耐え抜いた後ではじめて、「あのときはつらかったけど、かけがえのない経験ができた」と思えるものです。
【最重要】逆出向の効果は、あとから振り返ってはじめて分かるもの
若手が逆出向することで得られるものはたくさんあります。
ただし逆出向の効果は、出向が終わったあとでないと実感できません。
出向元に帰任し、出向期間中の経験を活かせるようになった時点でようやく実感できます。
出向している最中にはメリットを体感できないから、つらいのです。
逆出向がつらい理由
- 出向期間中の昇給・昇格にはむしろ不利
- 出向期間中は、同一労働同一賃金が認められにくい
上記のように親会社に出向して働く時点で労働環境はいろいろと不利です。
出向者が若手の場合は余計につらい状況に陥りやすいです。
若手が逆出向すると余計につらい理由
- 子会社側の思惑と親会社側の要望は一致していない
- 子会社社員の人脈作りや実績作りは、親会社社員にとっては無関係
- 親会社社員は、子会社社員の育成に興味はない
親会社は出向者へ労働力を求めているだけなので、親会社で働くうえで「若手かどうか」は配慮されません。
詳しくは【子会社から親会社へ】新人設計者が逆出向して辛かったことに記述しています。
若手のうちに逆出向するメリット4選
若手にとって不利な逆出向ですが、若手のうちに出向して一連の仕事をこなせるようになっておけば、その後の社会人生活を送るうえで得られるものはとても大きいです。
若手のうちだからこそ、逆出向して得られるメリット
- 子会社に染まりきる前に、親会社のあたりまえを自分のものにできる
- 子会社では経験できない仕事を通して、出向元社員のスキルを追い越せる
- 若手のほうが、逆出向での学びを活かせる期間が長い
- 子会社の若手は期待されてないので、失敗しても開き直れる
①子会社に染まりきる前に、親会社のあたりまえを自分のものにできる
ベテラン社員と比べて若手の方が、他者の優れた考え方や手法、習慣を受け入れやすいものです。
若手は自分の仕事のやり方をまだ完全には確立できていないからです。
たとえば子会社から出ることなく10年、20年と長い期間働き続たあとで逆出向した場合、出向者が今まで築いてきた仕事のやり方・考え方を崩せなければ、親会社でのせっかくの成長のチャンスを存分には活かせません。
入社してから期間の浅い若手のうちであるほうが、逆出向を学びの機会につなげやすいです。
ベテランになってから仕事の考え方や習慣を変えるのは、負荷が大きい
②子会社では経験できない仕事を通して、出向元社員のスキルを追い越せる
出向元に帰任するころには、出向未経験の先輩社員よりスキルアップしています。
スキルアップ度合の要因としては、子会社と親会社の業務環境の違いが挙げられます。
子会社と親会社の業務環境の違い
- 親会社のほうが予算規模の大きな仕事を抱えているので仕事量が多い
- 子会社には任せない領域の仕事(新規事業など)も抱えている
- 親会社のほうが、周囲に優秀な人が多い
親会社に逆出向すると、子会社よりもレベルの高い環境のもとで、子会社では経験できない仕事を通して鍛えられます。
そのため、得られる効果(スキルの上達速度)も子会社で働いているときと比べて大きくなります。
逆出向は、ドラゴンボールの「精神と時の部屋」に入るようなもの!
これは働いた期間が重要なのではなく、その期間でどれだけのことを経験し、成し遂げたかが重要ということを意味します。
もちろん、ただ何となく出向期間をやり過ごしただけでは期待するスキルアップは望めません。
親会社で仕事をしていると、子会社で働いているより仕事の要求レベルが高くつらいことも多いです。
ときには子会社批判を受けて、立場の弱さを実感するかもしれません。
まだ完全に独り立ちできていない若手にとって、逆出向は苦行でしかないと感じることもあるでしょうが、帰任後に先輩よりもスキルアップしている自分を想像しながら日々の仕事をこなしていきましょう。
③若手のほうが、逆出向での学びを活かせる期間が長い
社会人としてキャリアを歩み始めたばかりの若手のほうが、逆出向から得られるメリットが大きいです。
若手のほうが逆出向のメリットを長く受けられるからです。
仮に定年間際の人が逆出向をきっかけに急激なスキルアップを実現できたとしても、子会社に帰任後1、2年で退職するようでは逆出向の恩恵を受けられる期間が短すぎます。
一方で入社1~3年目の若手の場合、出向期間に3年間費やしたとしても、帰任後の社会人生活はまだ30年以上残っています。
できる人の仕事術や考え方を社会人になった早い時期に取り入れた方がその後の仕事人生に長く活用できます。
社会人になった初期にスキルを身につけるほうが有利!
④子会社の若手は期待されていないので、出向先で失敗しても開き直れる
前提として一緒に働く親会社社員は、子会社の若手出向者の成長や目立つ実績など期待していません。
期待されているのは労働力です。
自分に期待してくれる上司や先輩の元であれば、「迷惑をかけたくない。失敗しないようにしよう。」という意識が働くこともあるでしょう。
逆出向すると周りは出向者への期待をかけてないですし、何なら「どうせ失敗するだろう」という目線で見られています。
周囲から期待されていない状況を逆手にとり、開き直ってたくさん失敗できることが若手出向者に許される特権です。
出向時の失敗から学んだことはたくさんありました。
どうせ期待されてないから、開き直ってたくさん失敗しよう。
若手のうちに逆出向するデメリット3選
逆出向を若手のうちに経験してしまうデメリット
- 若手だからといって計画的な育成はしてもらえない
- 出向機会の違いに不公平感を抱きやすい
- 人生設計を立てにくい
①出向先では、若手だからといって計画的な育成はしてもらえない
若手のうちから親会社へ逆出向してしまうと、「若手教育」は受けられません。
親会社は出向者を労働力として受け入れるので、出向者を主体的・計画的に育成する必要はないのです。
人材育成に力を入れている会社であれば、人材教育のロードマップがあるはずです。
たとえば「新入社員には〇〇を取得してもらう、3年目では△△研修を受講してもらう」といったものです。
親会社に直接入社した新入社員であれば、ロードマップに則った教育を受け、受講結果や成長度合いを上司と確認し合うといった取り組みがなされます。
自前の若手社員は計画的に育成しますが、子会社社員を計画的に育成する義務は親会社にはないのです。
②逆出向の機会に違いがあると、不公平感を抱きやすい
出向機会は均等には与えられません。
その時の人員や業務ボリュームなど会社の状況によって、逆出向が決行されます。
同期の中でも出向と無縁な人がいたり、同じ部署でも後輩は何年間も逆出向が命じられなかったりします。
若手のときに逆出向して苦労していると、「周囲と比べて自分はなんて不運なんだ」と悲観的になりがちです。
③逆出向によって生活基盤に影響を受けるので、人生設計が難しい
出向は転勤が伴うことがほとんどだと思います。
新卒入社後の早い時期で出向となると、人によっては引っ越し続きとなってしまいます。
生活拠点がコロコロと変わるようでは、その後の人生設計を立てにくいですね。
ちなみに独身者は出向候補者として狙われやすいです。
「出向→帰任→出向」を繰り返して生活拠点を転々としているうちに、結婚できないまま時間が経過してしまうこともあります。
若手が逆出向するメリットは「スキルアップ」しかないのか…
逆出向のメリットってスキルアップだけ?
若手に限らず、逆出向のメリットはスキルアップと人脈作りくらいしかありません。
定常的に出向が繰り返される会社であれば、1度、出向解除となったあとでも次の機会がいつ訪れるか分かりません。
出向時期も期間も自分の都合では決められないので、常に出向がつきまとう会社にいると人生設計が困難です。
今現在、出向中で帰任できず悩んでいるのであれば、「〇年後までに帰任できなかったら辞めよう」と区切りをつける考えも必要です。
逆出向して子会社ではできない経験を積んだのであれば、相当なスキルアップができています。
期限のあてもなく不利な条件で働き続けるくらいなら、逆出向の経験を活かして転職してしまいましょう。
わたしは実際に逆出向が嫌で転職しました。
転職したおかげで、出向の辞令がいつ出るかわからずに将来設計が不安定なストレスから解放されました。
機械設計におすすめの転職エージェントをまとめましたので、将来への不安解消に向けて動き出しましょう。