・なんで「大手子会社はやめとけ」って言われてるの?
・「やめとけ」と言われても、もう入社してるよ…
こんな悩みにお答えします。
本記事の内容
- 大手子会社はやめとけと言われる理由5選
- 「やめとけ」と言われても大手子会社で働くメリット3選
- 「大手子会社に入るのは、やめとけばよかった」と思ってる人の対応方法
「大手子会社はやめとけ」という話を聞いたことがないでしょうか?
「火の無い所に煙は立たぬ」ではないですが、やめとけという悪評が立つにはなんらかの根拠があります。
わたしは大手子会社に約10年間、勤めていましたが、その間に子会社ならではの理不尽をたくさん経験しました。
この記事には大手子会社はやめとけと言われる理由と、すでに大手子会社で働いている方へ向けた対応方法を記載しました。
会社選びや今後の働き方を考える上で参考になると思います。
大手子会社はやめとけと言われる理由5選
- 大手子会社の組織体制は親会社の人事に振り回され、理不尽な扱いを受ける
- 大手子会社の社員は、一定以上の出世は望めない
- 大手子会社の組織は、自社だけで経営判断をできない
- 大手子会社の社員は、親会社に逆出向して安い労働力として働かされる
- 親会社が経営難になったときに、大手子会社は売却されるリスクがある
①大手子会社の組織体制は親会社の人事に振り回され、理不尽な扱いを受ける
大手子会社の組織体制は、親会社の人事異動の影響を大きく受けます。
親会社から子会社へ定期的に人が送られ、子会社の上位職に充てられるからです。
親会社からの出向や転籍が定期的に行われるとしても、それが一貫性のある人事異動であれば問題ないです。
しかし必ずしもブレない指針の伴った異動にはなりません。
親会社からの出向・転籍者は、子会社で自分の色を出したがります。
目出す成果を出して、早く親会社に戻りたいからです。
部門長がコロコロと入れ替わり、その度に組織の方針や仕事の進め方が変わるようでは、長期的やビジョンを持って仕事に取り組める職場とはとても言えません。
子会社組織に属していると、親会社の人事都合で組織の在り方が左右されてしまいます。
親会社に振り回されることが、「やめとけ」と言われる大きな理由です。
以前の会社では、部長や社長までもが出向者で短期的に入れ替えでした。
上層部が変わるたびに方針も変わって、働きにくかったです…
②大手子会社の社員は、自社で一定以上の出世は望めない【大きく出世したいならやめとけ】
大手子会社の社員は、一定以上の管理職への昇進は望めません。
一定以上の昇進が望めないということは、一定以上の昇給も望めないということです。
上述しましたように、子会社の上層部は親会社からの出向・転籍者で占められています。
そのため子会社採用の社員は、出向・転籍組で占められた上位職に空きがなければ昇進できないのです。
たとえば部長職までが出向・転籍組で占められている組織の場合は、子会社採用の人で部長まで昇進するのは非常に難しいです。
入社形態によって昇進先が決まっているのは不公平な気がしますが、残念ながら子会社で働くためには受け入れなければならない事実です。
社長まで出世してしたい野心家の方は、大手子会社に入るのはやめときましょう。
以前の会社は、課長職まで出向・転籍組で占められるようになりました。
③大手子会社は、自社だけで経営判断できない【自由度の高い場所で働きたいならやめとけ】
子会社単独で予算編成や運営をしている事業は少数派で、ほとんどは親会社からの仕事を受ける形式になっているでしょう。
親会社から受けた仕事に対して何か経営上の判断を下す際は、親会社の了承がないと進められません。
子会社の中で検討し「GOサイン」が出たとしても、親会社から「ダメ」と言われたら執行できないのです。
わかりやすい例として、子会社は「ヒト・モノ・カネ」の自由が利きません。
子会社としてある事業に注力したくて人員補強を試みるにしても、親会社からNG判断が下されれば現状の体制で進めざるを得ません。
運営の自由度が少ないことが、子会社が敬遠される理由の1つです。
意思決定が二重なのは、業務プロセス上も非効率でよくないですよね…
④大手子会社の社員は、親会社に逆出向して安い労働力として働かされる
親会社の立場からすると、子会社採用の社員は「安い労働力」です。
逆出向という人事制度の存在は、個人的には子会社は「やめとけ」と言わざるを得ない、1番大きな理由です。
親会社に逆出向すると、いろいろと理不尽な目にあいます。
詳しくは、新人設計者が逆出向してつらかったことにまとめています。
逆出向することにメリットが全くないかというとそうでもないので、逆出向のメリットとデメリットも別にまとめています。
子会社採用の社員は人件費が安いのです(泣)
⑤親会社が経営難になったときに、大手子会社は売却されるリスクがある
親会社の業績や状況により、子会社は事業部ごと売却される可能性があります。
売却されると、そこで働く社員は転籍を余儀なくされるので労働条件や処遇への影響が大きいです。
親会社の状況次第では、「やめとけ」と言われても仕方ないですね。
売却先に転籍した先輩は、退職金の額が不利になる前に辞めてましたね…
「やめとけ」と言われても大手子会社で働くメリット3選
「やめとけ」と言われても、大手子会社で働くことにはメリットもあります。
ただし前提として、大手(親会社)に直接採用される程の高スペックな方にとっては、わざわざ大手子会社で働くメリットは少ないです。
親会社に直接入れる高スペックな方は、「子会社はやめとけ」のアドバイスを素直に受け入れるのが無難です。
入社難易度の低さの割に、大手同等の環境や条件を得られることが子会社で働くメリットです。
大手子会社で働くメリット
- 親会社と同等の労働環境が整っている
- 福利厚生が充実している
- 社会的信用を得やすい
①大手子会社には親会社と同等の労働環境が整っている
社内システム、業務マニュアル、就業規則や残業時間の管理など、効率的に働くための決まりやツール類の恩恵を受けられることが、大手子会社で働くメリットの1つです。
大手はいろいろと労働環境が整備されているので、本来やりたい仕事に時間を投下できます。
業務マニュアルが十分でないとやり方を考えたり調べたりすることで時間を取られますし、人によってアウトプットがばらつきやすいので問題があります。
コロナ禍において、DXやデジタル化の推進が加速傾向にありますが、まだまだ対応できていない職場もあるでしょう。
わたしの現職はデジタル化にだいぶ遅れを取っていて、申請書類は手書き+印鑑を押印した紙を社内便で送るという方法をいまだにとっています。
大したことのない申請書類でも、受理されるまで無駄に時間がかかるので困っています。
社内システムの整備された大手の子会社でしたら、非効率な業務は真っ先に排除されています。
新卒入社したのは10年以上前になりますが、その会社は電子承認のシステムが整っていたので印鑑使う機会はなかったですね。
②大手子会社は福利厚生が充実している
大手子会社の福利厚生は親会社に準拠していることが多いです。
休暇制度や保養施設の利用、グループ保険の適用など、親会社と同等の福利厚生を受けられます。
子会社在籍時は、自動車保険が3割引き(団体割)で助かりました。
③大手子会社は社会的信用を得やすい
独立系の中小企業と比べると、大手子会社の社会的信用は高いです。
親会社のネームバリューがあると子会社の知名度も比較的高いので、ローン審査には通りやすいです。
「子会社といえど、大手の看板があると審査が通りやすかった」と住宅ローンを組んだ先輩が言ってました。
「大手子会社に入るのは、やめとけばよかった」と思ってる人の対応方法
【しばらくは辞めるのをやめとけ】一人前になるまでは、親会社の技術やノウハウを吸収する
ここまで読み進んでいただいた子会社所属のあなたは、大手子会社の窮屈さに嫌気がさしているところでしょうか?
すでに大手子会社へ入社しているのに「やめとけ」と言われても困りますよね。
子会社で働いていると辛いこともあろうかと思いますが、一通りは親会社の技術やノウハウの取得に励んでください。
可能であれば親会社の業務に携わり、優秀な人たちの考え方やスキルを吸収しましょう。
レベルの高い技術やノウハウに触れられることや優秀な人と関われることが、大手子会社で仕事をする大きなメリットです。
まずは大手子会社ならではのメリットを存分に活かしましょう。
親会社の技術やノウハウを習得できたと感じているなら、転職もアリ
大手子会社で一定期間の経験を積むと、ある程度のスキルやノウハウが蓄積されていることでしょう。
個人としてのスキルが積み上がってきたら、「やめとけ」と言われてまで、生き苦しい子会社で働く必要はありません。
外にはもっと働きやすい会社があります。
もし今の職場環境に居続けることに疑問を感じているなら、情報だけでも仕入れてみることをおすすめします。