CADオペレーターって、何歳までならなれるの?
なれたとして、長く続けられる仕事なの?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- CADオペレーターは何歳まで働けるか?
- 年代別のCADオペレーター年収目安
- CADオペレーターとして何歳までも活躍し続けるコツ3つ
結論としては、CADオペレーターは20代~50代以降までのどの年代にもチャンスのある仕事です。ただし無事に採用され働き続けるためには誰でもOKではなく、CADの学習経験やスキルが必要になります。
この記事では、CADオペレーターに年齢が問われない理由や年を重ねても活躍し続けるコツを解説します。
これからCADオペレーターになりたい方にも、今の仕事を長く続けたい現役オペレーターの方にも、活躍し続けるためのヒントになるはず。
最後まで読んでいただき、ご自身の仕事に活かしていただければ幸いです。
CADオペレーターは何歳まで働けるか?
CADオペレーターは年齢よりもスキルや経験が重視される職業なので、年齢を重ねても働けます。ここではCAD未経験者がCADオペレーターになる場合と、既に働いている方は何歳まで働き続けることができるかを見ていきましょう。
①未経験者の就業【年齢不問だが学習は必要】
CADオペレーターになるのに年齢は不問ですが、CAD未経験からの転職ならCADの学習は必須です。
「CAD未経験でもOK」なCADオペレーター求人はたくさん見つけられます。しかしCAD使用経験に加えて年齢も不問となると、残念ながら多くの求人条件には当てはまりません。年齢を重ねてからCADオペレーターに採用されるためには、CADスキルの取得がいっそう重要になってきます。
逆にCADの実務経験がなくてもスクールや職業訓練などで学んだ経験があれば、年齢問わず応募条件を満たす求人があります。たとえば次のような応募条件です。
求人例
上の例の求人票では、年齢・実務経験は不問ですが、CADを学んだ経験があることが応募条件になっていますね。近年、CADオペレーターには仕事がないと言われることもありますが、CAD業務の経験がない方にもまだまだチャンスは転がっているのです。
年齢を理由にCAD業務への挑戦に躊躇する必要はありません。とは言え、年を重ねるごとに新しい知識を習得するハードルが上がっていくのも事実です。少しでも早く経験した方が有利なので、さっそくCADの勉強からスタートしてみましょう。
②経験者が働き続けられる年齢【何歳まででも】
スキルの高いCAD経験者なら、50代以降もCADオペレーターとして働き続ける方がいらっしゃいます。
CAD業界は年齢よりも経験値やスキルが重要視されるので、企業としては能力の高い人には働き続けてほしいと思っています。加えてCADオペレーターは肉体労働ではないので、年齢を重ね体力が衰えても働き続けられます。
わたしが機械設計の仕事をしていた際は、50代女性CADオペレーターさんにCAD業務のフォローを頻繁にしていただきました。わたしがお世話になったCADオペレーターさんはおそらく約20年はCADに携わっていた方で、昔のCADシステムのことも熟知しており助けてもらいました。昔のCADシステムで作成された図面の修正作業がたまに必要になると、古いCADを扱えない人たちはみな、ベテランCADオペレーターさんへ仕事をお願いしていましたね。
若手の頃は特に、ベテランCADオペレーターさんに知らないことを教えてもらいました。
以上のように、業務実績を積んで設計士から信頼されていれば、CADオペレーターとして年齢を気にせずに働き続けられます。職業としてのCADオペレーターの将来性にも期待できるので、長く続けられる仕事を探している方にもおすすめできる職種です。
【年代別】CADオペレーターの年収目安
年齢別のCADオペレーター年収目安も確認しておきましょう。
転職サイト「doda」で出しているデータ(集計期間:2020年9月〜2021年8月)によると、CADオペレーター全体の平均年収は356万円。年代別の平均年収は、20代が319万円、30代が388万円、40代が390万円、50代以降は418万円となっています。dodaのデータでは30代以降は年収の上昇率が低下しています。
これに対して、令和2年分 日本の給与所得者全体の平均年収は433万円です。正社員か派遣や契約社員か雇用形態にもよりますが、CADオペレーターの平均年収は50代以降でも全国平均に届かない状況となっています。
より詳細には「なぜCADオペレーターの年収は低いのか【収入を上げる5つの方法も解説】」で考察しました。
CADオペレーターで何歳までも活躍し続けるコツ3つ
次にCADオペレーターで長く働き続けるコツを解説していきます。
- スキルアップ
- 経験を積む
- 我を出しすぎない
コツ①スキルアップし仕事の幅を広げる
CADオペレーターで長く活躍するために必要なことは、なんといってもスキルアップですね。設計士からすると、スキルの高いCADオペレーターへ案件をお願いしたいものなので、能力がある人なら年齢に関係なく活躍していけます。
わたしが機械設計の仕事をしていた頃も、スキルが高いCADオペレーターさんには積極的に業務を依頼をしていました。逆にスキルが不十分なオペレーターさんには安心して仕事を任せられないですね。
スキルが高いCADオペレーターとは、次のような能力の持ち主です。
スキルが高いCADオペレーター
- 仕事のスピードが早い
- 手戻りのない正確な仕事ができる
- 複雑な形状の3Dモデリング技術がある
- 設計の知識もあり、設計士のミスに気づいてもらえる
- CADソフトの操作以外の業務もこなせる
ちょっとした設計ミスを見つけてもらえると助かります……
初心者のうちから高いスキルを持っている人はいません。少しずつレベルアップしていきましょう。CADオペレーターに向いている人なら、仕事を続けていくなかで自然とスキルアップできそうですね。
コツ②経験を積み周囲からの信頼を得る
CADの仕事は知識があるだけでは不十分で、経験を積むことが重要です。
CADでの業務を続けていると、教わった知識だけでは解決できない問題に遭遇することがあります。壁にぶち当たった際、実際に多くの業務経験をしてきた人からヒントを得るとスムーズに進むことが多いので、経験豊富なオペレーターは周りの設計士からの信頼も厚いです。
何か問題があったとき、過去の似たような事例でどのような対応を取ったか経験した人の存在はとても頼りになるもの。過去にどうしても自分ではモデリングできない形状が必要になった際、オペレーターさんに助けを求めて、わたしの代わりにモデリングを行っていただいたことが何度かあります。
CADオペレーターは設計士と一緒に仕事をして信頼が高まっていくうち、任される仕事の範囲が広がっていくのです。
「この問題、あの人なら解決できそう」と周囲に思ってもらえたら強い!
設計士からの信頼を獲得した結果、仕事の依頼が集中してくると今度はCADオペレーターは辛いなんて感じることもあるかもしれません。周囲からの信頼を得つつ適切に業務管理できるようになると、なおよいですね。
コツ③我を出しすぎずサポートに回る
CADオペレーターは、業務の依頼主が求めていることは何かを考え、自分のやり方・考え方を固持しすぎないよう行動することが重要。CADオペレーターには自分1人で完結させられる仕事はほぼないので、身勝手な判断は許されないのです。
長年、同じ仕事を続けていると自身の業務パターン(型)が確立していきますが、設計士の意向や職場のルール、チームのやり方に従い、次工程に迷惑をかけることのないよう仕事をする必要があります。
わたしの以前の職場にいらっしゃった女性の年配オペレーターさんは、同じ会社で年を重ねてこられてきました。「お局さん」と呼ばれてもおかしくないほど社歴が長い方でしたが、決して自分の意見を押し通すことはなく、かといって設計ミスはちゃんと見つけて指摘してくれるスーパーサポーターでした。
設計業務の中心人物にはなれないかもしれないですが、周りのサポート役に徹することができる人はCADオペレーターとして活躍し続けやすいでしょう。
自分のやり方を押し通そうとする人は困ります……
このように、本人の努力次第では年齢を重ねても活躍し続けられるので、頭ごなしにCADオペレーターなんてやめとけとは言えないですね。
まとめ:経験を積んだCADオペレーターになれば、何歳まで働けるかの心配は無用
CADオペレーターは、年齢よりもスキルや経験が重要であることを確認していただきました。スキルを身につけ、経験を積んでいけば年齢に関係なく長く続けられることがCADオペレーターの魅力です。
CAD未経験者でも、CADの学習をしていれば年齢を問われない求人もあります。
これから長く続けられる仕事に就くために、CADの勉強を始めてみてご自身の選択肢を広げていきましょう。