CADオペレーターは辛いと聞いたけど本当?楽じゃないの?
辛さを乗り越えるにはどうしたらいい?
「CADオペレーターって、楽そうだからやってみよう」と甘くみていると、いざ職に就いたときに仕事を続けるのが辛くなるかもしれません。特に初めての仕事が辛いのは、CADオペレーターでも同じです。
そこで本記事では、CADオペレーターの辛いところとその対処法について解説していきます。
本記事の内容
- CADオペレーターが辛い、しんどい理由と対処法7つ
- CADオペレーターが「辛いこと」を乗り越えるコツ3つ
CADオペレーターに挑戦しようか悩み中の方だけでなく、既にCADオペレーターとして働いている方にとっても、辛い仕事を乗り越えるヒントになるはずです。
ぜひこの記事を参考に、辛さを軽減して働けるCADオペレーターを目指しましょう。
CADオペレーターが辛い、しんどい理由と対処法7つ
インターネット上では「CADオペレーターは楽」なんて言われることもありますが、想像以上に辛いこともあります。どんなことが辛いと感じるのか、対処法と合わせてみていきましょう。
「辛い、しんどい」理由
- 仕事が見つからない
- CAD操作以外で覚えることが多い
- 納期が厳しい
- 完成まで時間がかかる
- 複数人とのやり取りが大変
- CAD以外の仕事も任せられる
- CADソフトが変わると覚えなおしが必要
理由①仕事が見つからない
1つ目の辛い理由は、そもそもCADオペレーターの仕事が見つからないことです。
確かに一昔前と比べるとCADオペレーターの仕事は減っているため、「仕事がない」と感じやすいのでしょう。
しかしちゃんと探せば、CADオペレーター未経験者でもOKな求人もまだまだ見つかります。CADオペレーター求人の探し方のポイントは「CADオペレーターの仕事はない」と言われる要因にまとめましたので、求職中の方は参考にしてください。
- 求人サイトで検索する
- 派遣会社に登録する
- 職業訓練校やスクールからの紹介を受ける
2番目以降からは、実際に働き始めてから「辛い」と感じる理由をみていきます。
理由②CAD操作以外で覚えることが多い
2つ目の辛い理由は、CADオペレーターはCAD操作以外で覚えることが多いからです。
CADオペレーターの仕事をするにはCAD操作を覚えただけでは不十分。実務を行うには会社の設計標準や規定の他、聞きなれない用語の理解が必要になってきます。
たとえば図面を作成している会社ならば、図面番号の付け方を定めた標準があるはずです。図面番号とは個々の図面を識別するための番号のことで、イメージとしては携帯電話に付与されている電話番号のようなものと思ってください。
携帯電話の番号が「090または080から始まる11桁の数字」になっているのと同様に、図面番号の付け方にも一定のルール(標準)を設けている会社が多いです。
図面番号の他にも、CADオペレーターが業務をする上で知っておくべき標準はいくつもあります。このような標準は丸暗記しなくてOKで、使いたいときにすぐに参照できれば問題ありません。なので調べたいときにすぐに参照できるような段取りをしておきましょう。
- 業務に必要な情報をまとめておく
- まとめた内容を、調べたいときにすぐ見つけられるよう整理しておく
わたしはメールの下書きでリンク集を作って、複数のパソコンから見られるようにしてました。
理由③納期が厳しい
3つ目の辛い理由は、CADオペレーターは納期に追われる仕事が多いことです。
CADオペレーターの仕事は納期が決まっているので、納期との戦いを避けては通れません。しかも短納期の仕事ほど集まってきますので忙しい時期は残業も増えるでしょう。
仕事をお願いする設計士の立場からすると、急いでいても自分では手が回らないから他人にお願いするのです。よってCADオペレーターに短納期の仕事が集まるのは当然といえば当然ですね。
設計士から依頼がきた際は、仕事を引き受ける前に期日を確認し決められた納期で完了できるか見積もりましょう。納期の見積もりは、自分で「できる」と思った期間より1、2日程度の余裕を持って伝えたほうが安全です。
何でもかんでも仕事を引き受けるのではなく、もし納期を守れなさそうなら安易に受け取らない、あるいは納期を伸ばせるか相談するようにしましょう。
- 新規の業務依頼が来たら、引き受ける前に納期を確認する
- 場合によっては、納期を延長できないか依頼主と相談する
- 納期厳守が無理そうなら、安易に依頼を引き受けない
せっかくの業務依頼を断るのは悪い気がしてしまいますが、「今は納期にお応えできない」旨をきちんと説明すれば、その仕事の依頼主も納得してくれるはずです。
理由④完成まで時間がかかる
4つ目の辛い理由は、CADオペレーターの仕事は完成までに時間がかかることです。
1つの図面を完成させるまでの作業量が膨大だと、仕事がなかなか進んでない感じで途中で心が折れてしまいがち。逆に、1つのことに集中するのが得意な人はCADオペレーターに向いてる人と言えますね。
また、CADオペレーターはパソコンに長時間向かうことになるので、肩こりや腰痛、目の疲れといった身体面への影響も懸念されます。パソコン作業が連続しているときは、1時間に1回を目安に休憩をとりましょう。
- 1つの案件に行き詰ったときは、別案件の作業で気分転換する
- こまめに休憩を入れる
わたしはCAD仕事で集中が途切れたとき、遠めのトイレまで行ったり倉庫に部品を取りに行ったり、構内を歩いてリフレッシュしてました。
理由⑤複数人とのやり取りが大変
5つ目の辛い理由は、CADオペレーターの仕事は複数人とやり取りが同時に発生することです。
CADオペレーターは複数の案件への配慮が必要なので、ちゃんと整理した状態で各案件へ臨まないと混乱してしまいます。
例えば、X、Yの2機種の開発を担当している設計一課に配属されたCADオペレーターのAさんの場合を考えてみましょう。
Aさんは機種Xの図面作成を依頼されることもあれば、機種Yの3Dモデル作成を依頼されることもあります。機種X、Yにはそれぞれ3人ずつの担当者が配置されているので、担当者ベースで考えると、Aさんは6人の設計士のフォローに入っているということです。
仮に6人から同時に仕事の依頼が来たとすると、どれを優先して対応すればよいのか悩んでしまいます。
- 職場での業務依頼ルールを作成してもらう
- ルール内の依頼でも困ったことがあったら、リーダー職に指示を仰ぐ
複数案件が同時に来ても、CADオペレーター自身が優先順位を決めなくてよいのです。
「全ての案件を納期通りに終えるのは難しそうだな」と感じた際は、早めに相談しマネージャー職の方に優先順位を決めてもらいましょう。
理由⑥CAD以外の仕事も任せられる
6つ目の辛い理由は、CAD操作とは直接関係のない業務も任せられるからです。
CAD操作以外の業務の一例としては、物品の発注業務や見積書の取り寄せ、実験データの入力などがあります。CADオペレーターの役割は設計士のフォローなので、必ずしもCADだけやっていればよい訳ではないんですね。
そのため各種システムの扱い方や社内ルール、業務の流れなどを頭に入れておく必要があります。業務マニュアルの有無を確認し、内容を把握しておくとよいですね。
また業務の流れを先読みできれば、スムーズな処理につながります。依頼された図面が完成したので、「次は発注の指示がくるかな?」と予測し下準備をしておけば、急に発注指示が来ても慌てることなく対応できますね。
- 業務マニュアルの内容を把握する
- 業務の流れを先読みし、次の仕事の下準備をしておく
CAD操作以外の業務も求められていることを自覚し業務に幅を広げて、将来性の高いCADオペレーターを目指しましょう。
理由⑦CADソフトが変わると覚えなおしが必要
7つ目の辛い理由は、使用するCADソフトが変更された場合に覚えなおしが必要になることです。
一言でCADと言ってもたくさんのソフトがあります。機械系CADをとってみても、ソフトが変われば操作方法や各種コマンドの呼び名などが微妙に変わります。なので、CADソフトが変わったら細かな部分は覚えなおす必要があるのです。
会社で使用するCADソフトの種類をオペレーターは決められないので、会社が指定したソフトを使うことになります。
CAD業務に長く携わっていると、会社のCADシステム変更や自身の転職などにより使用するCADソフトが変わる事態に遭遇することもあるでしょう。しかし使うソフトが変わったとしても、1つのソフトでCADの基礎を身につけておけば問題ありません。会社都合でCADソフトを変更する場合は社内でCAD教育を実施してくれるところも多いので、社内教育を活用するのも有効です。
CADソフトが別のものになったら通用しなくなるから「CADオペレーターなんてやめとけ」という話があります。しかし機械や建築、電気といった分野・業界が同じなら、たとえソフトが変わっても培ってきたCADスキルは無駄にはなりません。
- CAD教育を受ける
- 1つのCADソフトで基礎を身につける
今後CADソフトが変更になることがあっても、現在扱っているCADソフトのスキルが活きてきます。
わたしは転職でCADソフトの変更を経験しました。最初に使ったソフトで基礎が身についていたので、ソフトが変わっても問題なかったですね。
CADオペレーターが「辛い、しんどいこと」を乗り越えるコツ3つ
次にCADオペレーターが辛さを乗り越え、スムーズに仕事をこなすためのコツを解説していきます。
「辛さ」を乗り越えるコツ
- スキルアップする
- 上手に質問できるようになる
- 業務スケジュールを管理する
コツ①スキルアップする
仕事を続けてスキルアップしていけば、「辛い」と感じる状況を減らしていけます。
CADオペレーターとしての知識や経験が増えていけば、徐々に仕事のスピードが速くなるはず。取り組む案件の難易度も高くなっていくでしょう。作業の処理能力が上がっていくので、だんだんと仕事が辛くなくなっていくのです。
さらに、スキルアップしてこなせる業務が増えると、仕事へのやりがいを感じられ辛さが半減していくことも期待できます。
CAD初心者の間は辛い時期もあることを受け入れ、粛々とスキルアップに励みましょう。
コツ②上手に質問できるようになる
CADオペレーターの仕事を続けるうちに、自身のスキルアップだけでは解決できない疑問点も出てくるはず。自分で調べても解決できなさそうな場合、周りにいる詳しい人に教えてもらいましょう。
困ったときに周囲の誰かに質問できるのは、CADオペレーターの魅力の1つですね。そうやって詳しい人に教えてもらうことが「辛い」状況を早く抜け出すためのポイントになります。
上手に質問するコツは、分からないことが何かをはっきりとさせることです。
質問する前に「分からないことは何か」、「知りたいことは何か」を自分の中で整理しておくことでスムーズなやり取りができます。
「辛い」状況を軽減させるために、上手な質問で分からないことを解消していきましょう。
何を質問されてるか分からないと、返答するのも大変です……
コツ③業務スケジュールを管理する
「仕事が多くてつらい」を乗り切るコツは、業務スケジュールの管理をすることです。
特に機械系のCADオペレーターは複数の仕事を同時並行で進めることが多いので、スケジュール管理は重要ですね。
スケジュール管理をおろそかにしていると、現在抱えている業務量を正確に把握できません。業務量を正しく把握していないと、今の仕事は締め切りに間に合うか、新たな仕事を受けてよいかが分からなくなってしまいます。
「納期までにできる気がするから引き受けてみたけど、結局、間に合わなかった」となってしまったら、その仕事の依頼主にとってはかえって迷惑ですね……
スケジュール管理を取り入れ、進捗中の業務量を把握し「仕事が多くて辛い」を回避していきましょう。
まとめ:CADオペレーターの辛いことは乗り越えられる!
CADオペレーターの辛いところとその対処法を確認していただきました。
確かにCADオペレーター始めたてのうちは辛いことも多いでしょう。
でも、仕事を続けていくうちに辛さは減っていきます。さらに日々のちょっとした工夫でも辛さを軽減させられます。
ぜひ辛い時期を乗り越えて、CADオペレーターのキャリアを積み上げていきましょう。