CADオペレーターって、実際に年収低いの?
今のわたしよりも収入高いのかな?
CADオペレーターの平均年収は356万円で、日本のサラリーマン全体の平均年収433万円を下回っている状況です。全体平均以下なので、CADオペレーターの平均年収は低いと言ってよいでしょう。
この記事ではCADオペレーターの年収が低いのはなぜか、収入を上げるにはどうしたらいいかを解説していきます。
本記事の内容
- CADオペレーターの平均年収は低いのか確認
- CADオペレーターの平均年収が低いと言われる要因3つ
- 収入アップ方法5つ
これからCADオペレーターに挑戦したら実際にいくら位稼げそうか気になっている方、現在CADオペレーターで働いている方でご自身の年収が適性か知りたい方に収入の目安をお伝えできる記事になっています。
目を通していただき、今後のキャリア形成にお役立ていただければ幸いです。
これからCADの勉強をしようか考え中の方も、目を通してみて下さい。
CADオペレーターの平均年収は低いのか確認
まず初めに、CADオペレーターの平均年収を確認し現状を把握しましょう。
平均年収
- CADオペレーター全体の平均年収
- 男女別の平均年収
- 年代別の平均年収(20代~50代)
①CADオペレーター全体の平均年収
転職サイト「doda」の調査結果によると、CADオペレーターの平均年収は「356万円」です。(情報源:2020年9月~2021年8月にdodaエージェントサービスに登録した人の年収データ)
職種別の平均年収
- サラリーマン全体:433万円
- 技術系(電気/電子/機械):444万円
- CADオペレーター:356万円
令和2年分の日本の給与所得者(サラリーマン)全体の平均年収は433万円なので、CADオペレーターの平均年収は低いと言えるでしょう。「技術系(電気/電子/機械)全体」カテゴリーの平均年収は444万円で、CADオペレーターの平均年収は残念ながら同カテゴリー中、最下位となっています。
②男女別の平均年収
次にCADオペレーターの男女別平均年収を確認してみましょう。
男女別の平均年収
- 男性:375万円
- 女性:321万円
上記のように、男性CADオペレーターが年収375万円、女性CADオペレーターが年収321万円となっています。男性の方が女性の平均年収よりも高くなっていますね。
女性の平均年収のほうが低い原因は、派遣社員など「非正規で働く人の割合」の違いが影響していると考えられます。女性のほうが非正規雇用者の割合が多いことにより、男性より女性の平均年収が低くなりがちなのは他の職種でも言えることです。
国で出しているデータによると、2020年における非正規労働者の割合は「女性が54.4%、男性は22.2%」。また女性は年齢を重ねるごとに、非正規労働者の割合が増加しているのが現状です。
③年代別の平均年収(20代~50代)
最後に年代別の平均年収です。
年代別の平均年収
- 20代:319万円
- 30代:388万円
- 40代:390万円
- 50代以降:418万円
CADオペレーターは何歳まででも続けられる仕事なので、年齢層が上がるにつれて年収も上がっていきます。しかしながら、この調査では50代以降でもサラリーマン全体の平均年収433万円に届いていないのが辛いところ……
以上のようにCADオペレーターは一般的には年収が低いので、「CADオペレーターなんてやめとけ」と言われやすいのですね。
CADオペレーターで高収入は得にくいのが実情ですね……
CADオペレーターの平均年収が低いと言われる要因3つ
次にCADオペレーターの年収が低いのはなぜなのか、理由を深堀していきます。
平均年収に影響する要因
- 未経験、低スキルから職に就く人も多いから
- 非正規労働者が多いから
- 需要が減ってきたから
要因①未経験、低スキルから職に就く人が多いから
給料が高い職種は高い専門スキルや資格が必要とか、なにかしらの要件が求められることが多いです。
対してCADオペレーターは未経験、低スキルからでも職に就くチャンスに恵まれています。未経験者は低収入から仕事をスタートすること場合があるので、全体としての平均年収は低くなる計算結果となってもおかしくありません。スタート時の給料が低くても仕事を続けていくうちに給与アップするケースもあるので、継続するのが重要です。
なお今はCADソフトを扱えるだけで稼げる時代ではなくなりました。CADオペレーターに求められるスキルは時代とともに変化しているので、収入を上げていくためにも将来性のあるCADオペレーターになっていく必要があります。
要因②非正規労働者が多いから
CADオペレーターには派遣社員や契約社員など、非正規労働者の方も多いです。一般的には、非正規社員の方は正社員よりも給料が低くなりがち。なので非正規労働者が多いCADオペレーターは、平均年収が低い傾向にあります。
とはいえ家事や育児と仕事を両立するために、あえて非正規雇用で働く選択をされる方もいらっしゃるでしょう。そこで正社員で働くことを考えていない方を想定し職種別の派遣社員時給を比べてみると、派遣社員の中ではCADオペレーターの賃金は高い方でした。
派遣スタッフ募集時平均賃金調査から、各職種の派遣スタッフ平均時給の調査結果を下表に抜粋しました。
職種 | 2018年4月 | 2019年4月 | 2020年4月 | 2021年4月 | 2022年4月 |
---|---|---|---|---|---|
事務系全体 | 1499円 | 1526円 | 1520円 | 1536円 | 1573円 |
・OA事務(一般事務) | 1473円 | 1502円 | 1491円 | 1486円 | 1537円 |
医療介護・教育系全体 | 1418円 | 1432円 | 1453円 | 1503円 | 1455円 |
・医療事務 | 1285円 | 1299円 | 1337円 | 1333円 | 1352円 |
IT・技術系全体 | 2032円 | 2066円 | 2062円 | 2187円 | 2127円 |
・設計(電子・機械・建築) | 2029円 | 2174円 | 2154円 | 2128円 | 2142円 |
・CADオペレーター、CAD設計 | 1696円 | 1754円 | 1780円 | 1848円 | 1844円 |
この調査結果によると、派遣社員として人気の高い一般事務や医療事務と比べてCADオペレーターの時給は、300~500円ほど高いようです。派遣社員限定で考えると、CADオペレーターはむしろ賃金が高い職種と言えますね。
要因③需要が減ってきたから
近年CADオペレーターの仕事はないと言われることがあり、CADオペレーターの需要が昔よりも減っているのは確か。ものの価格と同じく労働者の給料も需要と供給のバランスに左右されます。当然ですが、需要が高い職種のほうが給料が高くなる傾向です。
CADソフトウェアの進化や3D CADの普及などによって不要となった業務が増えたので、「CADを操作するだけの仕事」の専任者を企業は雇いにくくなっています。たとえば従来はよく行われていた「2次元図面を元にして3次元のモデルを作成する仕事」は、設計者が初めから3次元CADを使って設計していれば必要のない業務です。
需要が少ない職種は給料が上がりにくいため、「とにかく大きく稼ぎたい人」はあえて今からCADオペレーターになるのはお勧めしません。稼げる金額よりも、CADオペレーターに向いてる人で紹介した「ご自身の特徴を活かせる仕事をしたい方」にお勧めの仕事です。
なお現在においても、一部の業界では3D CADの普及が遅れています。これから3D CADを習得する価値はまだまだありますよ。
複数の知人によると、「2D CAD世代」の方々は3D CADへの抵抗が大きいようですね……
「年収が低い」と考えているCADオペレーターの収入アップ方法5つ
ここからはCADオペレーターの年収をアップさせるための方法を紹介していきます。
収入アップ方法
- スキルを磨く
- 副業に取り組む
- 正社員を目指す
- 転職する
- キャリアチェンジする
方法①スキルを磨く
まずは地道にスキルを磨いていくことです。スキルアップは最優先事項で、どんな職種でもスキルがなければ稼いでいくことは厳しいです。
スキルがあれば副業で本業プラスアルファの収入を得たり、もっと条件のよい職場へ転職したり、年収アップさせるための行動をとれるようになります。
まずはスキルアップすること!
方法②副業に取り組む
次から直接収入アップにつながる方法を確認していきます。
今の仕事を続けつつ年収アップできる方法は副業です。副業に取り組めれば、本業の他に収入を得られます。
CADを使う副業を行うには、クラウドワークスやココナラで検索する方法があります。クラウドワークスとは〇〇なサービスで、ココナラは△△なサービスです。
CADを活かせる副業は見つかる案件数がまだ少ないのが実情です。ただし副業ブームやフリーランス人口の増加により、今後クラウドワーカーへCAD仕事を依頼する人が増えると考えられます。 今のうちから副業体制を取っておけばCAD副業の波が来たときスムーズに取り組んでいけるでしょう。
わたしもココナラでCAD副業を始めました。実績はまだ少ないですが細々と進めています。
方法③正社員を目指す
3つ目の方法は、給与水準の高い雇用形態を目指すことです。派遣社員など非正規で働くCADオペレーターの方は、正社員への転向で年収アップを目指せます。
CADオペレーターは非正規で働く人が多いです。非正規労働はボーナスが出ないことなどから年収は低くなりがち。
ただし非正規で働くメリットとして、自身の都合に働き方を合わせやすい点があります。年収の高さよりも自身の働き方を優先するのなら、無理に正社員を目指す必要はありません。
方法④転職する
4つ目の方法は、給料の高い会社への転職です。
同じ会社で働いていると、長い期間勤務してもなかなか昇給しないのが実情。今の会社で昇給や昇格が難しそうなら、転職を選択肢に入れるのもありでしょう。
転職活動をすると言っても、必ずしも転職を実行する必要はありません。まずは情報収集から始めてみるのがおすすめです。
機械設計で転職した際は、仕事内容が似ていても給料は会社によって違いましたね。
方法⑤高収入な職種へキャリアチェンジする
最後に紹介する年収アップ方法は、職種変更です。
CADオペレーターを継続して年収を上げるには限界があります。なのでCADオペレーターで培ったスキルや経験を活かし、より高収入な職種へキャリアチェンジするのも年収を上げるために有効な方法です。
先ほどお見せしたdodaの年収データでは、たとえば「生産技術/機械設計」は平均年収478万円、「設計開発」は平均年収440万円と、CADオペレーターの平均年収356万円よりも高額です。CADオペレーターからキャリアをスタートし機械設計士になるのは、年収を上げるためのおすすめルートです。
CADオペレーターを続けているとCADソフトの扱い方や製図の知識が身につきます。設計士になるために必要な知識や経験は他にもたくさんありますが、最初から完璧な人はいません。設計未経験でも応募可能で、仕事をしながら教えてもらえる会社もあります。
年収を上げたいCADオペレーターの方は、キャリアチェンジ可能な求人もぜひ探してみて下さい。
まとめ:CADオペレーターを始めたばかりなら、年収が低くても気にしすぎない
もしCADオペレーターの仕事を始めたばかりなら、現在の年収が低いと感じていても仕方ありません。またこれからCADの勉強をしてCADオペレーターを目指す方も、最初から高収入を得るのは難しいと考えて下さい。
大切なことは、仕事を継続する中で知識や経験を増やすことです。CADオペレーターを入口としてスキルアップを図り、収入アップを見込める職種や働き方にチャレンジしていきましょう。