3D CADを独学で覚えたいけれど、学習方法がわからない。
そもそも独学でも身につくものなの?
そんな悩みにお答えします。
本記事の内容
- 結論:3D CADは独学でも習得できる
- 独学で身に付けたい3D CADの3つの基本スキル
- 3D CADを独学する3つの方法
- 3D CADを独学する際のコツと注意点
独学には費用が抑えられる魅力がありますが、やみくもに取り組んでも成果はでません。
この記事では、3D CAD初心者の方や更なるスキルアップを目指す方に向けて、独学の方法や注意点を解説していきます。
なお3D CADの始め方を確認したい方は、「初心者が3D CADを使えるようになるまでに何から始めたらよいか」解説した記事を先に読んでくださいね。
結論:3D CADは独学でも習得できる
始めに、3D CADは独学でもある程度のレベルまでなら覚えられることをお伝えしておきます。近年、無償で使えるソフトが出現し、一般の方が3D CADを扱う機会も増えてきました。3D CADの普及とともに動画教材や解説サイトなどが増え、学習環境が整ってきたことで独学もやりやすくなったのです。
たとえば下記のような業務なら、実務をこなせるCADオペレーターへの就職は独学でも目指せるでしょう。
- 設計士からの指示通りにモデリングする作業
- 完成済み3Dモデルへ寸法を付ける作業
実際に、実務未経験者でもOKのCADオペレーター求人は、今でもよくみられます。
ただし3D CADと関連する各種システムの扱いや企業独自のルール、応用的なノウハウなどは経験者から教わった方がよいです。加えて製品の設計(デザイン)は、専門知識がないと難しい分野ではあります。
とはいえ、3D CAD操作自体は独学でも覚えられるものです。独学で基礎を身につけ、実践経験をどんどん積んで応用力を身につけていきましょう。
独学で身に付けたい3D CADの3つの基本スキル
それでは、3D CADを独学する際に押さえておきたい基本スキルを3つ紹介します。
身につけたいスキル
- 3Dモデリングスキル
- アセンブリスキル
- 製図スキル
詳細を解説していきます。
①:3Dモデリングスキル
第一に、3Dモデリングスキルです。3次元表示された形状データを作成することを「3Dモデリング」、または単に「モデリング」と呼んでいます。モデリングは3D CADを活用する際の出発点となるので、初めに覚えておきたいスキルです。
世の中の工業製品は、3D CADでモデリングされたデータを元に製造されています。メルカリなどでよく見かける「3Dプリンター製のクッキー型」も、3D CADで形作られたモデルデータが元となっているのです。
このように、3D CADの1番中心的な機能が「3Dモデリング」になります。3D CAD学習者が初めに身につけておきたい基本スキルですので、押させておいてください。
②:アセンブリスキル
第二に、アセンブリスキルです。アセンブリとは、3D CADの中で複数の部品を組み合わせ、機械や製品全体の3Dモデルを組み上げる作業になります。コンピューターの中でプラモデルを組み立てる作業と思っていただいても結構です。
アセンブリを利用することで、現物の製品を組み立てる前段階での検証ができます。部品同士が正しくフィットするか、動作するかどうかをデジタル上で事前に確認できるので、設計の誤りを減らし効率的な製品開発が行えるようになるのです。
モデリングができるようになったら、作成したモデル同士をアセンブリして試してみてください。
③:製図スキル
第三に、製図スキルです。製図とは、モデリング・アセンブリしたデータに寸法などの必要事項を記載し、図面を製作する作業のことです。
3D CADでモデリングした部品は、最終的には工場などにデータを引き渡され、CADデータを元に材料を加工し製作が行われます。部品製作を行う際、一般的には3Dモデルに加えて図面が必要です。
最近は2D図面データが不要な加工工場も増えてきましたが、まだまだ一般的ではありません。そのため製図スキルは、まだしばらく必要とされるスキルです。
日本の製造業は、中小企業を中心に3D関連技術の導入が遅れているのが実情。しばらく製図はなくならないでしょう…
ここで上げた3つのスキル以外にも、3D CADで実施できることはまだあります。しかし一般的なCAD業務や個人のものづくりにおいては、この3つのスキルがあれば十分に対応できます。
3D CADを独学する3つの方法
次に、3D CADを独学するにはどんな方法がよいかをみていきましょう。
独学の方法
- 本
- チュートリアル動画
- 資格にチャレンジ
詳しくみていきましょう。
①:本
本では、体系的な学習を行いましょう。独学だと何から手をつけたらよいか分からないので、取り組む1冊を決め、最後までやり切ってみるのがおすすめ。ご自身のスキルに応じた内容の解説本を選びましょう。
その書籍の難易度設定は、タイトルである程度見分けがつきます。初心者の方は、タイトルに「〇〇入門」や「ベーシック編」と書かれた書籍をあたってみてください。解説本選びで注意していただきたいポイントを挙げておきます。
本の選び方注意点
- 発行が古いものを選ばない
- 初めから中級者以上向けのものを選ばない
古い本で解説に使用されるCADソフトは、最新バージョンと異なる場合が多いので注意!
3D CADを習得するためには、段階的な学習が効果的です。ご自身のレベルに合わせた教本に取り組んでみてください。
②:チュートリアル動画
実践をどんどん重ねていきたい場合は、チュートリアル動画に取り組むのがおすすめです。動画なら実際の操作画面をみながら手順を追って学習できるので、本では分かりにくかった箇所の理解も進みます。
最近はいろいろな動画教材を入手可能になっています。たとえば以下から探してください。
チュートリアル動画の探し方
- 各CADソフトの公式サイト
- Youtube
- ユーデミー
Youtube動画は立派な無料教材!
ただし、動画だとなんとなく聞き流してしまうことがあります。後から振り返る際にどこで解説されていたか探すのが大変なので、重要なことはメモを取るのを忘れないように。
③:資格の教材に取り組む
ステップアップしたい方は、資格にチャレンジしてみてください。必ずしも試験で合格する必要はないです。勉強の過程で基礎知識の習得やスキルアップにつながります。
資格の問題は制限時間内で解くことが必要です。試験対策を繰り返すことで、自然と操作スピードが向上するでしょう。ショートカットを覚えたり、画面設定を工夫したり、新たな技を覚えるよい機会にもなります。
有名な認定試験は、3次元CAD利用技術者試験ですね。
ある程度の学習を終え、脱初心者したい方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
3D CADを独学する際のコツと注意点
独学でやみくもに頑張っても、なかなか成果にはつながりません。ここでは、独学を継続しスキルアップしていくためのコツと注意点を紹介します。
コツと注意点
- 学習目的を明確にする
- 基本から始める
- 質問できる環境を見つける
①:学習目的を明確にする
3D CADを覚えたいと思った経緯や学習目的を明確にしましょう。独学は他人からの強制力が働かないため、しっかりとモチベーションを自己管理できるかが学習継続のカギになります。
「3Dプリンターでオリジナルのクッキー型を作りたい」、「スキルアップして新たな仕事に挑戦したい」など、なぜ3D CADスキルを身につけたいと思ったかを整理しておきましょう。
つまずいたときに振り返れるよう、学習目的を紙に書き出しておくのもよいですね。
学習目的をちゃんと理解しておけば、学習意欲が湧き独学継続の原動力になります。すでに学習中の方も、一度、学習目的を振り返ってみてくださいね。
②:基本から始める
簡単なレベルの内容から始めて徐々にステップアップしていきましょう。いきなり難しい内容にトライしても、身にならないばかりかモチベーションの低下につながってしまいます。
本で学ぶなら入門編から手に取るべきだし、Youtube動画は「CADソフト名 初心者」などで検索し、簡単な形状から練習してください。
どの教材から順番に取り組むか計画しておくのが、独学成功のポイントです。
③:質問できる環境を見つける
疑問点を質問できることも、独学を成功させるための重要なポイントです。学習中に壁にぶつかったとき、自分一人では解決策にたどり着けずに独学を止めてしまうこともあり得ます。そんなときに質問できる環境があると的確なアドバイスがもらえ、独学挫折の防止につながります。
とはいえ、身近に質問できる人がいる独学者は多くないでしょう。直接質問できる人が思い浮かばない方は、フォーラムを活用してみてください。フォーラムで質問を投げかけると、上級者が回答してくれます。
Autodesk社のCADユーザーなら、公式フォーラムをのぞいてみてください。ソフト別に分かれたフォーラムがあり質問が活発に出されています。
X(旧Twitter)などのSNSで質問してみるのもありですね。
疑問が解消し出来なかったことができるようになると、学習継続の意欲向上にもつながります。分からないことは、なるべく1人で悩まないようにしてくださいね。
まとめ:3D CADの基礎は独学で習得しよう!
3D CADは独学でも十分に習得可能です。自分のペースで基本操作を覚えていきましょう。
実際に3D CADを始めたくなった方は、「初心者が3D CADを使えるようになるまでに何から始めたらよいか」解説した記事を参考に、3D CADを使い始めてみてください。